「これからは、キスだって…遠慮なくするから、そのつもりでいろよ?」


「えっ!?」


「本物の恋人同士になったんだから、我慢するなんて、有り得ねぇだろ。俺がキスしたい時には堂々と奪うから。」


フッとイタズラな笑みを浮かべた光琉は、私の手を引いて歩き出した。


なんだか……


前よりも、光琉が強引になってるように感じるのは、気のせい…?


朝から、こんなに甘い雰囲気で接してくるなんて思ってもみなかったよ…。


おかげで、体は熱いし…心臓は慌ただしく動いてるし…。


お、落ち着かない…。


ソワソワしながら、握られた手を凝視した。


本物の恋人同士…かぁ。


少しでも早く、光琉に“好き”って言いたいな…。


今は…あまりにもドキドキし過ぎて、とてもじゃないけど、言葉に出来そうもない。


緊張しない方法とか、あればいいのにな…。


そんなことを考えながら、満足げな表情で隣を歩く光琉をジッと見つめた。