「だいたい、盗み聞きされるのが困るような内容だったら、話す場所…もっと考えたらどうなの?ここを通る先生や生徒はゼロじゃないんだから。」


「…………。」


「それに、あなたの方こそ…周りに集まってくる女の子たちの気持ち、考えたことあるの?みんな、あなたと話したいんだから、少しは愛想よく受け答えしたら?」


「…………。」


「あなたみたいな人、大っ嫌い……。」


私を見据えたまま、皆辻君は微動だにしない。


大きなお世話、とでも思ってるんだろうな…きっと。


私は大きな溜め息を零した後、皆辻君からプイッと視線を逸らした。


「それじゃあ、私…化学準備室に行くから…。」


そう言って、皆辻君から離れた私は化学準備室へと走りだした。


勢いに任せて、色々と感情をぶつけちゃった…。


まあ、いっか。


皆辻君…私が言ったことなんて、いちいち気に留めていないよね…。


ウンウン…と頷く。


言いたいことが言えてスッキリしたためか、心の中は清々しい気持ちになっていた。