王子様の危険な恋愛領域

「可愛い。」


「えっ…?」


「真っ赤な顔の紗姫も可愛い。学校なんて休んで、このまま…お前を独り占めしていたいんだけど。」


「なっ、何言ってるのよ…!学校は行かなくちゃダメだってば!」


もう!!


いきなり、なんてこと言うんだか…。


光琉の腕の中でアタフタしながら答えると、密着していた体が少しだけ離れる。


私の顔を覗き込んだ光琉は、照れくさそうに笑みを浮かべた。


「仕方ねぇだろ。それだけ、紗姫を手に入れられたことが嬉しいんだから。」


ドクンッ…と心臓が軽やかに跳ねる。


熱い頬の温度が更に高まる気がした。


光琉、本当に言葉がストレート…。


でも、だからこそ…心が甘いドキドキで埋め尽くされるんだよね…。


私も、ちゃんと伝えなくちゃ…。


「あ、あのっ…」


そう決意して、口を開いた。