王子様の危険な恋愛領域

えっ！？


光琉が私のことを好き…？


信じられなくて、何度も瞬きを繰り返した。


「ちょ、ちょっと待ってよ！光琉は私を…ただの女除けとしか見てないんじゃないの？」


「は…？」


「だって、私に…付き合うフリしろって言ったじゃない。鬱陶しい女の子たちが近寄ってくるのを防ぐため…って言ってたでしょ？」


彼女宣言を撤回する代わりに、光琉から提示された条件だったよね…？


それが、どうして“好き”に繋がっちゃうの…？


頭の中で疑問符を漂わせていると、光琉は小さな溜め息を零した。


「あの時は、あんな風に言わなきゃ…紗姫を繋ぎとめておけねぇと思ったんだよ。お前、俺のこと嫌ってたし。」


「えっ…」


「紗姫は、何としてでも俺の彼女発言を取り消したい…っていう感じだったから、どうにかして防ぎたくて、頭の中で必死に考えてた。それで浮かんだのが“付き合うフリ”だったんだよ。」


「そ、そうなの！？」


「ああ。俺、あの時から…紗姫のこと少し気になってたから。」


光琉の言葉に、私は…ただただ驚きっぱなしだ。