王子様の危険な恋愛領域

「それ、俺に聞くのかよ…。」


うっ、やっぱり…。


そりゃそう思うよね…。


だけど、怒ってるわけでもなさそう…。


「ったく、どこまでも鈍感なヤツだな。」


「は、はい?」


私の言葉のどこが鈍感だっていうのよ。


頭の中に、いくつもの疑問符を浮かべていると、光琉は私の耳元に唇を寄せた。






「そういう症状を“恋”っていうんだよ。」


「えっ…?」


「病気じゃなくて、恋。紗姫は…俺に惚れてんだよ。」


「…………。」


恋…?


私が、光琉に…?


「えっ、えぇっ!!!」


あまりの衝撃に、悲鳴にも近い声が私の口から飛び出す。


勢いよく降っている雨の音に負けないぐらい、私のボリュームある声がトンネルの中にグワンと響いた。