王子様の危険な恋愛領域


この香り…。
チョコレート…!!


キョロキョロとお店の中を見回す。


すると、店内の真ん中辺りに置かれた大きなチョコレートファウンテンや、テーブルに並べられている、色んなスイーツが目に飛び込んできた。


そっか…!!


このお店、スイーツブッフェが楽しめるカフェ…っていうことで、雑誌に掲載されてたんだ…!


「わぁ、すごい…!」


感動に浸っていると、店員さんが私たちのところにやって来た。


「いらっしゃいませ!ご予約のお名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」


「えっと、皆辻です。」


少しぎこちない声で答える光琉。


「皆辻様ですね。ご来店いただきありがとうございます。席にご案内しますので、こちらにどうぞ。」


店員さんの後に続いて歩く私たちに、店内がざわつき始める。


周りを見回すと、女性のお客さんたちの視線が、一斉に光琉の方へと向けられていた。


頬を赤らめる人、顔を綻ばせる人、はしゃぐ人など…反応は様々だ。


やっぱり、こういうところでも…光琉の影響力は絶大なんだな…。