「えっ…?」


「お礼とか…そういうのより、休日も紗姫に会いたかった。」


「…………。」


パチパチと瞬きを繰り返す。


戸惑うあまり何も言えずにいると、光琉は苦笑いを浮かべた。



「言っとくけど、俺…今日はデートのつもりだから。応援のお礼…ってのは、紗姫を誘うキッカケみたいなもんだし。」


「えっ、あ…」


光琉は私の手を引いて歩きだす。


黙々と足を進める光琉の横顔は、少し照れくさそうに見えた。


お礼は…キッカケ?


これ、デートなの!?


頭の中は疑問符が飛び交い、驚きや戸惑いがグルグルと渦巻く。


訳が分からないまま、光琉に握られている手を見つめた。


ど、どうして…。


なんで、彼女のフリしてるだけの私をデートに誘うわけ…?


どうしよう、デートなんて一度もしたことないのに…。


一体、どう時間を過ごせばいいの!?