光琉のクラスの男子と、対戦相手の1年生のクラスの男子。


それぞれが、ボールを追いかけてグラウンドを走り始める。


「キャーッ！！王子、頑張って～！」


「カッコいい～っ！！」


今の今まで私を鋭く睨みつけていた女の子たちの視線は、一気に光琉へと注がれる。


興奮気味に甲高い声で応援をする女の子たち。


その姿に苦笑いをしてしまった。


私を睨んでたのが嘘のように、みんな…目をハートにして光琉を見てるよ…。


切り替え、早すぎ。


だけど、あんな視線を送り続けられたら私もキツいし、試合が始まってくれて良かった…。


ちょっとホッとした気持ちを抱きながら、私もグラウンドでプレイをしている光琉の方に視線を向けた。


1年生が占有しているボールを追っていた光琉。


仲間にパスをしようとした1年生の隙を狙って、鮮やかにボールを奪う。


相手のクラスの男子を次々と交わしていく光琉の動きは、とても軽やか。　


あっという間に相手のゴールポストの傍までやって来ると、そのまま勢いよくシュートを決めてしまった。