無垢なヴァンパイア



ザシュッ


「自分の優位を確信する前にちゃんと相手の技量を確かめなさいな」


心臓から血を流し仰向けになって倒れているのは異形の方だった。


「貴様ぁ…誰だ…」


「そうね、これでわかるかしら?」


黒に変えていた目を青に戻す。


「な、何故…いつの間に…」


「答える義理はないわ。お行きなさい」


リルアがそう言うのと同時に異形の体はサラサラと消えて行った。


「カイ、もういいわよ」


リルアはカイの手に握られている銃に目をやって言った。


異形がリルアを殺ろうとした瞬間、カイが銃を出したことをリルアは知っていた。


たぶんカイが撃っても、異形の者より早かったと思うわね。


先に手を出してしまったのだけれど。


カイは無言で銃をしまった。