「ダンカンは、連絡のつかないヴァンパイア界の重鎮とも接触があったようだ」


「でもそれだけでは鍵を握っているなんて言えないわ」


「…重鎮共と連絡が途絶えた後、お得意様がいなくなった筈なのに、ダンカンはますます財を増やした」


「…説得力に欠けるわ。たまたまかもしれない」


カイはにやりと笑った。


「さすが俺が見込んだ姫…。実は重鎮達と連絡がつかなくなってから、つまり1年程前に、ダンカンが敵視していた商人が次々と死んでいるんだ。…干からびた状態でな。死に方が怪しいからハンター会も調べたんだ。そしたらダンカンにたどり着いたということだ」


なるほどね。


「じゃあ今日はダンカンに探りを入れるとかそんな感じかしら?」


「いや、折角のチャンスだ。ヴァンパイアと繋がっているという証拠を探す」


「どういう作戦かしら?」


「ダンカンが挨拶回りをしている間にこっそりやるのさ」


「…随分と適当ね」


思わず呆れてしまう。


「それしか方法はないからな。例え無謀でも今日しかチャンスはない」