「…それより、何しに来たんですか」
さっきの笑顔はどこへやら。
いつもの無表情でそう言った"残念な姫"。
こんな奴にドキっとしてしまった先ほどの自分に腹が立つ。
この俺様が、こんな奴にやられっぱなしでたまるか!!
「ん?姫を探しに来たんだよ?」
「私、を…?」
「急に保健室から出て行ったから、心配したよ?」
俺はそう言って"王子様スマイル"を浮かべる。
当然、彼女は無表情なまんまなわけで。
「別に、心配される必要ありませんけど」
か わ い く ね え
「体調悪い?大丈夫?」
姫に一歩近寄り、頭を撫でる。
そして150㎝前後の姫に合わせて屈むと。
「無理しないでね」
と言って微笑んで見せる。
…ま、こんな事したってどうせ姫は無表情なんだろうけど………

