ツンツン姫がイケメン王子に恋をした話








って、ドキ!?!?
いやいやいや!!
"ドキ♡"とか、そんなのありえねえ!!
この俺様に限って!!!





「聞いて、ない…よね?」





初めて"残念な姫"にタメで話しかけられ、またドキっとする。
って、なんで俺がこんな奴にドキっとしてんだよ!!!





「今の、って?」





俺はいつものように王子様スマイルを貼り付けて、"聞いてないフリ"をする。
ちょっとわざとらしいか?
と思ったけど、"残念な姫"はパァッと笑顔になり、





「よかった…!」





と安堵の息を漏らした。
初めて見る"残念な姫"の笑顔。
姫と呼ばれてるだけあるな、と思った。
普通の男子が見たら、もう顔を赤くして直視できないだろう。
実際、俺も直視できないでいる。