”残念な姫”は無表情のまま、数学の教科書を俺に渡してくる。
受け取るときに、少し手が当たって─…





「っ!!/////」





ものすごい早さで手を引っ込める”残念な姫”。
なんなんだよ、そんなに俺に触れるのが嫌なのか!?
彼女が顔を赤らめてることなんか知らずに、俺はそう思った。
……怒るな。落ち着け、俺。
いつもの王子様スマイルを作る。





「ありがとう」



「い、いえ………」





そうして俺は、自分の教室に戻った。