「ほらほら、早く行かないと"オシオキ"されちゃうんでしょ?」
「え?」
「あれ?千佳言ってなかった?」
ほら……、と言う恵美に記憶を辿る。
えーっと確か…?
『俺を放って告白されてるとか、いい身分だね。こっちは超腹へってイライラしてたのによ』
『…明日から遅れたらオシオキするから』
「!!!!!!!」
「あ、思い出した?」
お、お、思い出したああああ!!
あの後ほっぺたにち、ち、ちちちちちゅうされて私倒れたんだあああああ!!!
あ、あんな大事件を忘れるなんて…
私としたことが。
なんたる失態!!
「あー、うん。はいはい。てことでいってらっしゃい」
「…いってきます。」
めんどくさそうに私を追い払う恵美に手を振って、私は屋上に向かった。

