ツンツン姫がイケメン王子に恋をした話









千佳はめったに風邪ひかないから慌ててきたのに、部屋に入るなり昨日の事を事細かく説明され(と言っても本人は心の中で思ってるだけだけど)、もう何回も繰り返して、妄想して、叫んで。
本当に熱あるの?って感じ。





「…えへへ♡♡」





幸せそうに笑う千佳。
久しぶりにこんな笑顔を見た気がする。
普段は相変わらずの無表情だし、私の前でしかホンネは出ない。
千佳の恋バナなんて聞いたことないし、もちろん彼氏なんかもいたことがない。





「一歩前進、ってとこかな」


「…恵美、何か言った?」


「なんでもないよ。プリン食べる?」


「クリームのってるのがいい」


「はいはい、分かってるよ」





のそっとベッドから出て、私とミニテーブル挟んだ真ん前に座る。
プリンを見て、またまた幸せそうに笑う千佳。
熱だから、余計に素直なんだなって思った。