ツンツン姫がイケメン王子に恋をした話









あーイライラする。
隣に雅紀がいたら殴ってやるのに。
行き場のない怒りがこみ上げてきそうになった時。





「姫、俺と付き合って」





中庭から、そんな声が聞こえてきた。
渡り廊下から身を乗り出すと、相変わらず小せえ"残念な姫"と、見たことのない男がいた。





「俺、入学した時からずっと姫のこと可愛いなって思ってたんだ。俺のこと好きじゃなくてもいいから、付き合ってほしい」


「え…っと………」





ストレートな告白に、まさかの姫の無表情が破られ、顔を赤く染めてる。
そんな姫を見て、俺の中で"ブチッ"って音がした。