チャイムが鳴り、うるさい雅紀を放って屋上へと向かう。
群がってくる女子をさり気なく追い払い……
「潤さまあ♡これ、潤様のために作ったんでえ、食べてくださあい♡♡」
甘ったるい喋り方。
バラかなんかよく分からないが、とにかくキツイ香水。
…鼻がもげる。
俺様の鼻がもげたらどうしてくれんだよ!
…とは言えるわけもなく。
「ありがとう。これ、なに?」
「潤様の好きなあ、シフォンケーキですう♡」
別に、好きじゃねえけど。
「本当?嬉しいな、ありがとう」
ここでニコッと"王子様スマイル"。
「キャ〜♡」
はい、落ちた〜。
じゃあな。鼻もげ女。
俺は不味そうなシフォンケーキには用無しなんだよ。

