君と過ごした嘘つき時間

「何?朝からどーしたの?」

教室のドアにもたれ掛かる彼の元へ行くと

「例のやつ…名前分かったんだよ!」

「例のやつって?」

侑華が尋ね返す時には
私は、あんぐりと口開けて
驚いた表情を隠せなかった(笑)

「なんだよ、その顔。
せっかく教えてやろうと思ったのによー」

「ち、違う!ビックリしちゃって。
で?名前は?なんて人なの!?」

私は、飛びかかるかのように
両手で彼の肩を掴んで
前後に揺さぶりながら問い掛けた。

「ちょっ、待て!
教える!教えるからやめろ!」

「あ、ごめん」

パッと手を離すと「はぁ〜」と溜息をつく彼。

「ねぇ、なんの話ししてるの?」

「あぁ、紫野原の例の好きな奴の名前だよ」

「え…拓馬わかったの!?」

「おう!」

「さすが、拓馬!すごーい」

「まーな」

そう言いながら少し
ピンク色の頬に色付いた顔の前で
小さく拍手をする侑華・・・。

こーゆー所が可愛いんだから(笑)

「って、ドヤ顔しなくていいから
早く教えてよ!!!」

「あ、わりぃ(笑)」