「千歳に噛まれたらさ、」
「うん」
「ヴァンパイア菌みたいなのに感染して、私も吸血鬼になっちゃうの?」
「……ふ、ヴァンパイア菌て」
大丈夫だよ、と私を抱きしめながら千歳が笑う。
「みんながみんな吸血鬼になっちゃったら、大変でしょう?」
「……そうだね」
頷いて、私も千歳の背中に腕を回した。
……ああ緊張する。
柄にもなく、ドキドキしてる。
牙が皮膚に突き刺さるの、やっぱり痛いかな。血を飲むといったって、いったいどれくらい飲むつもりなのだろう。
トマトジュース8リットル。
同じ量を飲まれたら、私間違いなく失血死すると思います。


