優樹菜はこっそりとベランダに下りると、ベランダの柵を超えた。


「うわ...」


2階とはいえかなり高くて頭がクラっとする。

「やっぱり戻ろうかな。」

そう思ったとき、教室から茉莉がこちらを見て悲鳴を上げた。
私はうっかり柵から手を離してしまった。

そのまま、優樹菜は中庭のコンクリートに向かって、真っ逆さまに落ちていった。


足に鋭い痛みが走り、その痛みも感じなくなるころ、救急車のサイレンが鳴り響き、ゆっくりと優樹菜の意識も遠のいていった。