教室に入ると、絢香と茉莉がさっと寄ってきた。

この2人は、私のいつも一緒にいる友達だ。
私は2人のことを大して好きじゃないけど、毎日一緒にいる。

「ユキ〜トイレ行きたくない?」
絢香が腕を絡めてきた。

アホか。

トイレも1人で行けないのか。


「ごめん、私さっき行ったからいいや〜」
本音が顔や口調にも出ないように気をつけてやんわりと断る。


「そっか。じゃあ茉莉行こ。」
「うん。」

絢香は明らかに怒ったような態度で茉莉の腕を取り、トイレの方へ歩いて行った。

2人の背中を見ながら、バカにするような、すこ〜し悔しいような、何とも言えない感情がこみ上げてきた。