『ねぇ、暁人さん。』

「なんでしょうか?」

『私、病気かしら?』

「ほう、どうしてそう思うのですか?」

『私ね、最近ここが痛いの。きゅーってなって息ができないわ。』

「そうですか、それはきっと恋煩いでしょう。」




あの日初めて知った恋煩いというもの。


恋煩い:恋に悩むさま、人を思慕するあまり病にかかったような様子を呈するさま、などを意味する表現。


と、辞書に書かれていて、私は誰に恋をしているのかしら?と思っていたけれど

それはすぐに証明された。


『私、暁人さんのことがきっと好きなのね。』


彼のことを思うときゅーって胸がしめつけられて

彼と近づいたら苦しくなった。


これはまさしく恋煩い。