「あんたら、『魔女の村』の長がどんな奴かしってるぅ?」



少女の突然の質問。



「え、知らない」


もちろん知らない上に興味がないのでテキトーに答える。



「なら、教えてあげよう」



少女はそんな二人に含み笑いを見せて、軽く人差し指を振った。



「『魔女の村』の長は…漆黒の髪を持ち、強力な魔力を持っている」



「うん、知ってる」



興味がないくせに割り込むところが二人のムカつくところである。



「フフ…そして『魔女の村』の長はね…弱肉強食なの」



少女は不気味に微笑んだ。


その不気味さに二人は背中に嫌な汗をかき、後ろにたじろぐ。



「それでね、長はいつもお腹が減ってるんだ。そして…」



二人を見据えた。


その恐ろしい目に二人はゾッとする。


同時に思った。


身の危険を感じる…。



「村に迷い込んで来た奴をエルフでも人間でも構わず食べちゃうの!!」



ゾワッ!!



二人はこれ以上ここにいたら危ないと感づいた。


が、足がすくんで動けない。



「食べちゃった人の魂を取り込み、自分の魔力を高めて、次に迷い込む奴を身をひそめて待ってるんだぁ…」



少女は一歩、また一歩と二人に近づいて来た。


その不気味な含み笑いで…。



「あたしね…今、お腹が減ってるんだぁ…」



側によって二人の頬を冷たい手でゆっくりと撫でる。



「ヒッ!」



たまらず、ル・メイが小さく悲鳴を上げた。


それを見てクスリと笑う少女。


そして、ついに笑みが消えた。


















「貴様等二人共喰ろうてくれるわ」