「わぁ〜、アン凄くきれいだよぉ！」



今日は教会で結婚式が行われる。

今日の主役、アンの白いウィンディングドレス姿を見たアランとヒサノはアンのまわりをキャーキャーと走り回っていた。



「そうですか？ありがとうございます…」



顔を朱に染めて照れたように俯くアン。

そこに、











「ふ…ふっざけんなっ！！」





聞き覚えのある声が隣の部屋から聞こえた。

……レオナが何か叫んでいる。



「今のはレオナの声？！
ヒサノ、レオナどうしたのかな？」



心配そうにヒサノを見上げ、アランの大きな瞳が揺らいだ。

そんなアランにヒサノは含み笑いを浮かべてみせた。



「あらあら、別にたいしたことじゃないんですよ？少しお金が足りなくて……フフフフ」



意味がわからず、アランは首を傾げると、ギィッと音をたてて、隣の部屋のドアが開く。



「ひぃ〜〜さぁ〜〜のぉ〜〜〜っ！！」



ドアから明らかに怒っているレオナが登場した。

アランはその表情を見て青ざめたが、レオナの姿を見て、今度は吹き出しそうになった。



「な、なーーにそれっ！！」


「あらぁ、結構似合ってるじゃないですかぁ！ね、アンさん」


「はい、とてもよく似合ってますよ。
レオナさん可愛いです、とっても！」



その言葉を聞いて、堪えきれなくなったアランは声をあげて笑い出した。

……レオナの姿はというと…


薄い黒のレースをまとい、同色のスカートをヒラリと揺らしている……






真っ黒なドレスだ！


ちなみにウィッグは目立つ為か、レオナの髪色の赤ではなく、またまた黒というなんとも暗い色だ。


それをトップで耳が隠れる程度にきれいにくくっている。


きちんと化粧まで施されており、レオナはもう女性にしか見えない。