「…………あれ…？」


「レオナ何びっくりしてんの？
格好悪いなぁ〜…」



幼なじみであるアラン・クリスティンは目の前で急停止した…みたいだ。


小生意気な言動には腹が立つが、アランはそっちのけで目の前の美人さんに笑顔を向ける。



「こんにちは、ソフィア！」


「はいこんにちは〜」



レオナの時の態度と一変した、無駄に明るい挨拶。

無性に腹が立ち、こんのクソガキ…！と凍てついた視線を背後から浴びせてやる。



「てか、レオナ、大変なんだ！
そんな変な顔してる場合じゃないよ！！！」


「変な顔とは失礼だな。たしかにイケメンではないけどさ」



わかってるから悲しくなるんだよ、
なんて一人呟いて、仕方がないからアランの大変だという話題耳を傾けることにする。


だが、レオナは次の言葉を聞いた瞬間、驚愕の表情を浮かべることになる。



「実は、バンクロフト教会から御呼びがかかったんだ！」



開いた口が塞がらないとはこういうことなんだ、と実感。

だが今どのくらい自分が驚いて変な顔になってるかなんてもうどうでもいい。



「……な、なんだって！
なんで俺達がそんなところにお呼ばれされてんだ？！」


「僕が知るわけないでしょ！」



バンクロフト教会とはリリオの教会の中で最高の権力を持つ教会の事である。


エルフの国リリオは、シアル州、江戸州、紅和州、ティパダ州、クコン州と五つに分けられており、

それぞれに必ず聖域が存在するが、そのなかで一番地位が高い教会がバンクロフト教会ということである。


ちなみにレオナ達が住んでいるパオーレはシアル州内の村で、レオナ達はシアル州人だ。


五州は同じ国だからといっても文化は異なり、着る物も食べる物も違う。


当然、教会の習わしも違い、しかもバンクロフト教会は…
















男子禁制である。