綺麗な、空。


もうすぐ、日が暮れてしまう。


少しだけ、赤がかかった、綺麗な空。


貴方も見ているの?


貴方はこの空を見て、どう感じるの?


















「………早く、会いたいな…」



空を見て、笑みを浮かべて、貴方を思い出す。


あれから、どう成長したかしら?


再会するのが、楽しみで楽しみで…







笑みが込み上げてきて、止まらない。


きっと、貴方は私を覚えていないのでしょうね。


いいえ、きっと、いつか思い出すわ。





――…思い出させてやる。




















「あ!いたいた!こっちだよハーバ!」


「待ってよー!リリィ速いー!」


「あんたがちんたら走ってるからでしょ!」


「これでも頑張って走ってるよー!」




向こうから、あの子達が駆けてきた。

まだまだ小さくて幼くて…とってもかわいらしい。


パタパタと駆けて、ついに二人は私の元へたどり着いた。

愛しくてかわいいハーバとリリィを私は笑顔で迎える。



「お帰り。ハーバ、リリィ。疲れたでしょ?宿に帰ろう?」


「うん!」



右にハーバ、左にリリィと手を繋いで、宿と道を歩む。

子供達二人は相変わらずご機嫌で、私の手を降って遊んでいる。



「あ、そうそう!今日ね、赤い髪の兄ちゃんを見たよ!」



思い出したように、ハーバは言った。
続いてリリィが「あ、あたいも見たー!」と言う。



…赤い髪、ねぇ。


自然と自分の笑みが深まったのを感じた。



「ティルとおんなじ髪の人、初めて見ちゃった!ねぇティル!あの兄ちゃんが赤子なんでしょ?」


「えー!あのなよっちぃのが?!そうなのティルー?」



私に質問攻めをする二人。
いつものことだから気にしないわ。



「………さあ、どうかな?」






彼に、会ったのね。

彼は、この街にいる。