レオナが手を退けた途端、ヒサノは自分の髪を手ぐしで整える。
その顔はまだ少々赤い。
つまらなさそうに自分を見るレオナと目が合うと何故か、直ぐさま目を逸らして俯いた。
レオナは一つ息をつくと、自分の懐に手を入れた。
「……ちょっと後ろ向いとけ」
「…は?」
「いいからいいから」
「……え、ちょ…!」
有無を言わさず、ヒサノに後ろを向かせ、また髪を掴んだ。
そう、掴んだ。触るというよりも、ギュッと掴まれた。
それはものの数秒で終わった。
終わったころは、少し頭に違和感があった。
「はい、完成。鏡見る?」
「…え、えー?」
意味がわからず、レオナを振り返ると、目の前には既に手鏡が用意されていた。
中を覗き込むと、赤色の装飾が目に入った。
金の簪に付けた赤い花の装飾。
とっても上品で、綺麗で、かわいらしくて。
自然に頬が綻んだ。
いつのまにか髪は上に纏め上げられ、それを赤い花の簪でとめている。
「わ、わ、わー…な、何ですかこれ?」
「………プレゼントってやつ?」
「えー!この簪高かったんじゃないですか?!」
「おばちゃんが値引きしてくれたからそんなに高くねぇよ。おばちゃんが女の子に買え買えうっるせぇからさ」
おばちゃんと言えば……、吉倉に入る前に少しお世話になった簪売りの人だ。
いつのまにそんなものを買っていたのやら…。
「でも三つも買うなんて…レオナってなんだかんだ女の子に優しいんですね!」
「意っ外ー!」と笑みを向けた。だが、レオナはキョトンとしていた。
「俺三つも買ってないけど。さすがに三つは値が張るし」
「………え?でもリンやサロナには?」
「は?俺があの二人に物をやるなんておかしいだろ。変な疑いかけられるわ」
「え、えー…?じゃあ、私にだけ…?」
「おう。幼なじみだから別に変な感じもしねーし」
「………」
「だから、ヒサノだけ」
そう言って、レオナは笑った。
その顔はまだ少々赤い。
つまらなさそうに自分を見るレオナと目が合うと何故か、直ぐさま目を逸らして俯いた。
レオナは一つ息をつくと、自分の懐に手を入れた。
「……ちょっと後ろ向いとけ」
「…は?」
「いいからいいから」
「……え、ちょ…!」
有無を言わさず、ヒサノに後ろを向かせ、また髪を掴んだ。
そう、掴んだ。触るというよりも、ギュッと掴まれた。
それはものの数秒で終わった。
終わったころは、少し頭に違和感があった。
「はい、完成。鏡見る?」
「…え、えー?」
意味がわからず、レオナを振り返ると、目の前には既に手鏡が用意されていた。
中を覗き込むと、赤色の装飾が目に入った。
金の簪に付けた赤い花の装飾。
とっても上品で、綺麗で、かわいらしくて。
自然に頬が綻んだ。
いつのまにか髪は上に纏め上げられ、それを赤い花の簪でとめている。
「わ、わ、わー…な、何ですかこれ?」
「………プレゼントってやつ?」
「えー!この簪高かったんじゃないですか?!」
「おばちゃんが値引きしてくれたからそんなに高くねぇよ。おばちゃんが女の子に買え買えうっるせぇからさ」
おばちゃんと言えば……、吉倉に入る前に少しお世話になった簪売りの人だ。
いつのまにそんなものを買っていたのやら…。
「でも三つも買うなんて…レオナってなんだかんだ女の子に優しいんですね!」
「意っ外ー!」と笑みを向けた。だが、レオナはキョトンとしていた。
「俺三つも買ってないけど。さすがに三つは値が張るし」
「………え?でもリンやサロナには?」
「は?俺があの二人に物をやるなんておかしいだろ。変な疑いかけられるわ」
「え、えー…?じゃあ、私にだけ…?」
「おう。幼なじみだから別に変な感じもしねーし」
「………」
「だから、ヒサノだけ」
そう言って、レオナは笑った。



