「アラン…」



友情の芽生えの過程を眺めていた保護者二人は草陰で身を縮めていた。



「アランはいい友達が出来ましたねぇ、よかったです」

「そうだなぁ…」



新たな友情の芽生えをひそかに祝う二人であった。



「レオナー、ヒサノー、行こー!」



元気そうに自分の名を呼ぶ少年が見えた。


ご機嫌なのか大きく手をブンブン振っている。


アランの声に反応してすばやく立ち上がる。



「よし、ヒサノ行くか!」



今の精一杯の元気を出してヒサノに笑いかけた。


すると、プッと小さく笑われた。


笑うな、文句があるなら言葉で言え、言葉で。



「もぅ、葉っぱついてますよ!」



クスクスと笑いながらレオナの髪に引っ掛かっている葉っぱをとろうと背伸びをする。


だが、身長が足りず、届かず。


仕方がないな、とレオナは軽く屈んでやった。


その軽くが結構きつい。



「とれましたよ」



レオナの頭に乗っかっていたと思われる一部虫に喰われた葉っぱを見せてくる。



「せんきゅ〜、てかアランがあんなに凄腕だったなんてびっくりだな!」

「そうですねぇ〜」



二人でアランに笑いかける。

アランは少し照れたように頭をポリポリとかいた。



「えへへ…、実は僕もびっくりなんだぁー。
五年ぶりだからちゃんと出来るかわからなくて緊張したぁ〜…」



照れ笑いをしながら安堵の溜息をつく。



「五年ぶり?!
すげえなおまえ!!」

「そりゃあそれまで父上の厳しい特訓をうけてきたからね。
『おまえも私の跡をつげ』って毎日毎日…」



厳しい特訓の日々を思い出したのか遠い目をするアラン。


軽く涙まで滲んでいる。


相当厳しかったらしい。