「じゃあ気を取り直して。
国王陛下からの伝達を聞いたと思うが、……奴らはやはり信用出来ない。
あたし達が動くことになりそうだ」



すっかり緊張を取り戻した会議室にまとめ役のナミ・ダコスの落ち着いた声が響く。

円をかくようにソファに座る残りの九人は深く頷いた。








「やはりリリオ国の者共に任せるのはまずかったですかねー。最初から我々が動くべきだったんですよ」


「しかしリリオ国王が裏切るなんて………エルフも終わったなあ…」


「ケッ、戦争に勝ったくらいで優位に立ったと思いやがって…!まったく腹立つぜ!」


「………裏切ったかどうかはまだわからない。…裏の情報だ、あてには出来ない」


「そうは言ってもですねナミ先輩、エルフはずる賢いですから何してるか本当わからないっすよ」


「まあ所詮エルフだし。血も涙もない悪種だけど、女性は綺麗だよね」


「そこ関係ないからクリス」


「……………………とにかく…」














口々に愚痴ならぬ意見を述べる中、ゴホンと咳ばらいをしたナミによって鎮静が蘇る。

スッとまわりを見据えると、ニヤリと笑みをつくった。












「………邪魔者は消し去る。
…それが教会の使者であろうがリリオ国王騎士だろうが関係ない。
………殺せ」




ニヤニヤと笑みを浮かべる彼女の笑みには……遥か彼方にいる敵になるであろう集団への殺意がはっきりと浮かんでいた。


それはまわりの九人も同じ。

まるでこれからのことを楽しむように……、不気味な笑みをつくっていた。




















「……………全てはヒュネット国王陛下の意のままに…」