ゴッドネス・ティア

巻き付けられた黒い布…いやサロナの服の袖だった布をぺたぺたとさわり、………放心するジョージ。


今なにをしても絶対に反応しなさそうな我が部下に、サロナは、なんだこいつ?と言いたげな険しい視線をおくる。


すると、…………ジョージの瞳から一筋の涙が流れ落ちた。

意外な展開にサロナは目を見開く。



「ササ、サロナ様に仕えて早10年…。
わたくしジョージはサロナ様の成長をずっとずっとずっとずっと見守っていました……身長はのびませんでしたが。
それでも毎年雨にもマケズ、風にもマケズ、目狐やおちびちゃんと呼ばれながらも逞しく美しく成長していかれる姿はこのジョージ………ともて誇りに思っておりました。
長として厳しく恐ろしく成長しているサロナ様はときどき涙が出るほど怖ッ…………………いえ、嬉しく思っておりましたが、こ、こここのように優しく触れられる日が来るなど……………ジョージは涙で霞んで前が見えませんでございます!!
ジョージは………ジョージは…………幸せ者でございますぅぅううわぁあッ!!!」















「…………………」




男のくせに涙もろいジョージ。

昔から少しからかえば、真に受けてわんわん泣いていた。


そして今も感極まってか鼻水と共に涙の大洪水。


どう声をかければいいかわからないのでとりあえず無言で苦笑いを浮かべてみた。