一度イライラを抑えるために、大きく深呼吸をしてみた。
深く息を吸い…、吐く。
それと同時にかわいらしい黒髪のツインテールがふわりと揺れた。
よく見れば、彼女は全身黒だ。
お洒落好きなサロナは服や靴、髪にもお手入れを欠かさない。
今日は、あと少しで下着が見えるのではないかと思う程短い折りスカートに、小さくフリルのついたワイシャツ、首元には紐をリボン結びにしてだらりと胸元まで垂らしている。
靴下は膝上まである黒と白のボーダーで、彼女のこだわりなのか靴は厚底だというのはいつものことだった。
今日も彼女のファッションは全て黒。
あの女が似合うと言ってくれたから。
「………クソ女…」
何故そんな汚らしい言葉が出て来るのか……、懐かしい思いに浸りながら小さくも笑みを見せる彼女には似ても似つかない言葉だった。
あの女を思い出すと、胸糞悪くなるけれど、どうしても彼女と過ごした記憶は汚らしくないのだ。
でもやっぱりサロナとって、クソ女はクソ女、クソ女以外の何者でもない。
クソ以下かもしれないと思い始めたサロナを、下品だと思うのはおかしくないだろう。
クソ女発言が災いしたのか、壁一面にびっしりと並べられている本のバランスが一瞬……崩れた。
なぜ崩れたのか、どうしてそうなったのかはわからない、だが長年動かされることのなかった本達は何を思ってか、久しぶりの訪問者に向かって一斉に襲い掛かった。
ぼーっと床に視線を落としているサロナも異変に気付いた。
床に突然あらわれたいくつもの影が次々と大きくなっていく。
振り向いた時には、遅かった。
ドサドサドサドサーーー!
深く息を吸い…、吐く。
それと同時にかわいらしい黒髪のツインテールがふわりと揺れた。
よく見れば、彼女は全身黒だ。
お洒落好きなサロナは服や靴、髪にもお手入れを欠かさない。
今日は、あと少しで下着が見えるのではないかと思う程短い折りスカートに、小さくフリルのついたワイシャツ、首元には紐をリボン結びにしてだらりと胸元まで垂らしている。
靴下は膝上まである黒と白のボーダーで、彼女のこだわりなのか靴は厚底だというのはいつものことだった。
今日も彼女のファッションは全て黒。
あの女が似合うと言ってくれたから。
「………クソ女…」
何故そんな汚らしい言葉が出て来るのか……、懐かしい思いに浸りながら小さくも笑みを見せる彼女には似ても似つかない言葉だった。
あの女を思い出すと、胸糞悪くなるけれど、どうしても彼女と過ごした記憶は汚らしくないのだ。
でもやっぱりサロナとって、クソ女はクソ女、クソ女以外の何者でもない。
クソ以下かもしれないと思い始めたサロナを、下品だと思うのはおかしくないだろう。
クソ女発言が災いしたのか、壁一面にびっしりと並べられている本のバランスが一瞬……崩れた。
なぜ崩れたのか、どうしてそうなったのかはわからない、だが長年動かされることのなかった本達は何を思ってか、久しぶりの訪問者に向かって一斉に襲い掛かった。
ぼーっと床に視線を落としているサロナも異変に気付いた。
床に突然あらわれたいくつもの影が次々と大きくなっていく。
振り向いた時には、遅かった。
ドサドサドサドサーーー!



