「へぇ…、それで旅に出ることになったわけ。
いいじゃん、勉強になるとおもうけど?」



家(といっても、ソフィアの家だが)についたレオナは病人専用のベットで寝転がっていた。



「ったく、めんどくせぇ!
しかも、ファン様ってば俺達を選んだ理由教えてくれないんだぜ?!
ふざけてんのかぁああぁぁぁあ!!!」

「ふざけてはないだろ。
いいじゃん、貴重な体験できて。
こんなチャンス二度とないと思うけど?」

「なくっていいっつーの…」



ハァッと溜息をつく。



「溜息つくと幸せ逃げるよ」



スホーーーーーーーーーっ



ソフィアの言葉にさっき吐いた幸せを吸い込もうと息を思いきり吸った。


チャンスは来なくていいが、幸せには逃げていってほしくないらしい。



「吸ってもかわんねーよ…」



今度はソフィアが溜息をついた。



「幸せ逃げるぞ!!」

「あたしのは逃げないの〜」



なんか、矛盾している。



「ま、帰って来たらその石見せてね★★
私楽しみにしてるから★★★
や・く・そ・く★★★★」



少女のように目を輝かせ、ピンッと小指をたてる。


やはり、俺の心配より石の心配か…と肩を落とした。
















「よし、準備はできたね?
そんじゃ行ってきな!!
あと…、
………自分の家にも最後寄って行きなよ」



そう言うと、一冊の分厚い本を投げてきた。



「ぅわわっ!!」



危うく落としそうになる。


落としたらどうなることやら…。


本を受け取った時の手の痛みを堪えながら本をパラパラとめくってみる。


最初に目に飛び込んできた文字は“教会”やら“女神”やら。


もしかしてと思い、題名を見た。


そこには『女神メルスの誕生』とドでかく書き記してあった。