ゴッドネス・ティア

何度も思い返しては、





胸が痛いほど締め付けられる。













「………あれ?」











そういえば、



夢の後に何か他のものを見たような……。












「どうした…?」


「え……いや、……なんでもない…」









思い出そうとして出て来るのは、









激しい頭痛の中で聞いた……




痛い程の叫びと、


苦しい程の嘆き、













そして……………
















美しい赤いお姫様の歌…………。















――赤いお姫様には
 愛しい人がおりました

  愛しい人は美しく
 国を揺るがす罪人で

  愛しい人に口づけを
 白い罪人と旅立ちました

  赤いお姫様と白い罪人
 一緒に暮らし幸せで


  最期まで共に
 愛しい人と共に


  赤いお姫様は
 眠りにつきました――















耳にのこる、切なく悲しい歌。





母が歌うと、暖かくて優しい歌なのに……













母でない、女の人の声で歌われるこの歌は……















酷く苦しい…















哀歌だ。