目が覚めた。


まだ霞む視界で辺りを見渡す。


寒いかと思ったら、そういえば毛布もかけずに椅子に座ったまま寝ていたことに気付く。


そのせいか関節のあちこちが痛む。



「………寒いな」



痛い程の冷たい空気に苦笑し、寒々とした首辺りを空色の長い髪を前にだして隠した。


いつも結んでいるせいか少し違和感がある。






まだぼうっとする頭を押さえ、霞む視界に映る目の前の黒い物に目を止めた。


だんだんと視界がはっきりとしてくる。



「…………レオナ」



そういえば、と黒い物体……いや黒いベッドに横たわる少年の名を口にした。


彼はなかなか目を醒まさない。

ヒサノの早急な処置のおかげで大事には至らなかったが、危なかったとヒサノは言っていた。


昨日まではヒサノがレオナの面倒を診ていたのだが、さすがに疲れたようで今は代理としてスノーリアが診ているのだ。



最初は、私が最後まで診ます!と、この椅子に居座っていたヒサノだが、みんなの説得のかいあって今は奥の部屋で爆睡している。