ゴッドネス・ティア

「だ、大好き…?」



リアの胸に抱き着いていると、頭上から声が。

心なしか震えている…?


不思議に思って胸にうめた顔を上げ、リアを見上げてみる。


…………顔が赤いのは気のせい?


何故そこまで赤くなるのかは謎だが、幼きレオナの思考は直ぐさま変わった。


そういえばリアの顔をちゃんと見ていなかったので、今更驚く。


目が合うとその深い琥珀色の瞳に吸い込まれそうで、

切れ長のきれいな目のラインとか、

スッとした整った鼻とか、

でもそれよりとても引き付けれたのは………





くくらず無造作に背中に流している、

……空色の長い髪。


男性にこんなことを思うのは失礼だと思うが、


………綺麗だ。


自分の父は奥様達の噂じゃ『かっこいい』らしい。

でもそういうのじゃなくて、


とっても綺麗だと思った。



「なに二人で見つめ合ってるの?
可笑しな子達ねぇ…」



ふと、背後から柔らかな声が。

大好きな大好きな…



「母さ…」


「アメリス!」



………遮られた。

レオナいわく綺麗な男リアに、バッサリと。


正直ショックで固まっているレオナを置いて、アメリスはにこやかに微笑んだ。



「リア久しぶりねぇ…、元気にしてた?」


「…普通だ。アメリスは?」


「私?私は最近お料理が楽しくて、レオナとよく木の実採取にでかけてるわぁ♪」


「そうか、…楽しそうだな」



どうやら二人は親密な関係らしい。


ポツン…


レオナは初めて孤独を感じた。