ゴッドネス・ティア

「そうだぞテリー!
こちらは我が息子、レオナ・オラトーレ君でーす!」



言葉に詰まっていると、肩に力強い手が置かれた。

背後からのあの無駄に明るい声はきっと…いや父に違いない。



「おお!やっぱりそうか!
おい坊主!大きくなったなぁ!」



テリーと呼ばれた大柄な男性は、そのつるつるとした頭で光を反射させながらこちらにのしのしと近づいてきた。


わずか5歳のレオナとテリーの身長の差は…倍に見える。


その大柄な体格に、レオナは思わずヒィッと情けない悲鳴も漏らした。


テリーはその体格にあったやっぱり凄く大きい手をレオナに振り上げる。

振り上げる………


瞬間、殴られると思った。


反射的に目をギュッとつむり、両手で頭を抱えようとした。











が、…………頭がやけに重い。




「よーしよしよし!
おまえいくつだ?…なんだそのへにょんとした情けない顔は!!
男ならしゃきっとせんかい!!」


「ぇ…ぁいたっ!!!」



なんかわしゃわしゃと髪を掻き回されている、と思ったら今度は平手で背中を力強く叩かれた。


室内にパーンッと良いのか悪いのかわからない小気味よい音が響く。


うん、痛い。


とにかく痛い。