ゴッドネス・ティア

「お父さん、テリーとリアって…?」



話題に置いていかれたくないので、気を引こうと握っている父の腕をブンブンと左右に振ってみる。


それを楽しそうに見下ろす父は、ああレオナには言ってなかったか、とにこやかに説明しだした。



「テリーは俺の先輩であり親友でな、テリーが早々と引退しちゃったもんだから最近はあんまり会ってなかったんだけど今日はお祝いだからってリアと来てくれたんだ。
あ、そのリアってのがテリーの息子でな、もう16なんだがあんまりにも老け顔なもんでどう見てもあんま俺と変わんないっつーかー」


「あらークラウス、リアは決して老け顔じゃないわよぉ。
老け顔じゃなくって大人っぽい顔立ちって言ったほうがしっくりとくると思うわ。
クラウスは見た目より大分若く見えるし、あなたと比べちゃだめよぉ」


「あ、そーかー」



……ハートが見える。


幼きレオナの目には、くっきりと母と父の間に熱を放つ赤いハート型が見えた。

それもゴシゴシと目を擦れば綺麗さっぱり消えていた。



「へぇー、じゃあ僕ははじめましてだね!」


「そうよぉ、だからきちんと挨拶をしましょうね」


「うん!!」



にこやかな笑みをつくると、お熱い二人の間に割って入り、母の手は左を、父の手は右を握った。

三人で手を繋ぐのは久しぶりで、だけどやっぱり嬉しい。


ニコニコと真ん中で自分達を引くレオナを見下ろし、クラウスとアメリスは互いを見合わせた。

目が合うとクスリと微笑み、手を楽しそうに引っ張るレオナに追い付く。








幸せだ。


本当に、幸せだ…。


これ以上の幸せなんてあるんだろうか。


このままずっと、

















こうしていられればよかったのに……