ダメなんだ、
ダメなんだ、
ダメなんだ……
どうしても、彼女が放れなくて……
似ている人がいたら、無意識に目で追っていて…
10年たった今でも…、
愛しくて、
恋しくて、
切なくて、
寂しくて、
悲しくて、
苦しくて、
どうしようもなくて…
この想いをどうしたらいいかわからない…。
ただ、ずっと叫んでるんだ。
心が、ずっと。
アメリス
アメリス
アメリス
アメリス
アメリス
アメリス………
「――…愛してる」
ポツリ、星空の下でクラウスは呟いた。
その呟きは誰にも聞かれることなく、空気に溶けて消えていった。
目の前には白い墓の大群。
規則正しく並べられた墓の中に一つの愛しい人の物。
その石には、愛しい人の名が、深く深く刻んである。
――アメリス・オラトーレ、此処に眠る――
クラウスはそこで、一人、何度目になるであろう涙を流していた。
好きで、好きで、好きで、好きで……
たまらなく好きだった、ただ一人の女…
昔、自分が守れなかった、大切な人…
長い月日がたっても、想いは変わらない。
出会って、結婚して、子供も出来て、
それでも変わらなかったこの想い……
いや、変わるはずがないんだ。
愛してるんだ。
ずっと、ずっと、
こんな言葉じゃ足らないくらい…
愛してたんだ…