「……これから、大変なことがおきなければいいんですが…。
まあ、大丈夫でしょう」



いやいや、あなたの選択が大変な事でしょうが、と喉の奥まで出かかったがなんとか呑んだ。



「さて、話はこれで終わりですか?」

「いいえ、まだあります」

「…ふう、なんですか?」



…なんか、この人最初に溜息ついたな?と思ったが…気にしないでおく。



「王都より手紙が届いております。
読みましょうか…?」

「王都…?えぇ、読んでください」



はい、と一礼してシワ一つない高級な紙質の手紙を取りだし開く。



「では、読みます。
『えーーー、バンクロフト教会最高位兼教皇のファン様。
夏も終わり頃ですが、いかがお過ごしでしょうか?
王都は暑くてうざいです。
こっちは最近、ポリ公ばっかが事件の仕事とかやっちゃってんでぶっちゃけ暇です。
なーんか、やることありませんか〜?
国王騎士一同より』
…てえぇ?!国王騎士ぃ?!!」


「あらあら…、あの子達暇なんですねぇ」



クスクスと笑う。


ファンはなんだか馴れてるっぽい。



「あれ…?続きがあります。読みますね。
『ところで――――――……」





























「…そうですね、いいでしょう。
では早速文を出しておいて下さい」


「かしこまりました」


「さて、忙しくなりそうです」



フフフと含み笑いをして、ファンは立ち上がった。


そのとき彼女は何を思っていたのか……、



それは誰も知らない。