あいつを見ていると…あの子を思い出す。

いつもいつも笑ってた…大切な人。




そのとき、ソフィアの表情が曇った。


だが、それはもんの一瞬だけで、すぐにいつもの表情に戻る。






……不意に机の引き出しに手がのびた。



引き出しを開けて、

中にポツンと伏せてある紙を手に取る。




まるで、壊れ物を扱うように、

宝物を見つめるように……








表に反してしると、それは…



――写真だった。





どこかの街を背景に、銀髪でどこかツンツンしてそうな少女と、同じ年代の素直そうな、穏やかな表情の……赤い髪と瞳の少女が、仲よさ気に写っていた。



ソフィアは、それを見て…今までに見たことないほど穏やかで、優しそうな表情で微笑んだ。


懐かしい、懐かしい、

そんな気持ちが溢れる……。



ソフィアは肩にもかからない程の…銀色に光る髪を後ろに流し、愛しい人の名を口にした。








「…………アメリス…」



その視線は、素直な赤い瞳に一直線で、

その目は、


懐かしく、でもどこか嬉しい、



………寂しい目をしていた。















(―――ねぇ、アメリス)




返って来ないとわかりきっていても、心の中で彼女に呼びかけた。


当たり前、返事は返って来ない。



昔なら、なぁに?って、……太陽みたいな明るい笑顔で振り向いてくれたのに。




(―――ねぇ、アメリス…)



わかっていても、尚呼びかける。


















あんたは今、どこにいる…?



あの、遠い遠い、青い空の向こう?



それとも、もういない?




…………いや、いるよね。









お墓でジッと眠ってるの?



………いや、














あの子の傍…?