「使えん奴めっ!!」

「ぐぁっ………!!」



父はスーの髪を乱暴に引っ張り、スーごと床に強く叩き付けた。


ゴンッと鈍い嫌な音が響く。


その直後、また乱暴に前髪を引っ張られ、頭を上げさせられた。


石畳で擦り切れたのか、額からは血がにじんでいる。



「なんのためにおまえを行かせたと思っている!
…役立たずがっ!!」

「がはッ…!!」



無防備なスーの腹に重いもう片方の拳をいれた。

髪がプチプチッと音をたてて抜ける。

そして再度、立ち上がった父の蹴りが、腹、背中、腰、首、胸、に何度も何度もいれられた。


何度も、

何度も、



「がッ……!」

「おまえはまた私の顔に泥を塗る気か!?」

「ぅ゙ッ……!!」

「まだ教えが足らないのか!!」

「かっ……はッ!!」

「身を持って知れ!!」









………ああ、


…………何度目だろうか。









もう何度も、何度も、何度も、何度も、何度も……




こんなことを繰り返されて来た……。



実の父親に、何度も、何度も……。




痣や傷が、絶えることはなくて……




―――苦しい。






そう、ただ苦しくて、



痛くて、辛くて、














もう、憎悪しかない。