ピタンッ……
ピタンッ…
「ぐっ………」
ドサッ…
……やっと帰って来れた。
息荒く帰ってきた奴…スーは冷たい石畳の床に受け身もせず倒れる。
スーが通ってきた所には点々と赤い血が滴っていた。
……なんだか、あの戦いはとても長く感じた。
どこでもいいから…一眠りしたい……。
あいつの血を飲んだおかげか、傷も大分塞がってきた。
首をえぐってやったし…もう虫の息だろう。
―――……ハッ、ざまあみろ…。
あいつのせいだ。
あいつが、
あいつさえいなければ、
生まれてこなければ……
自分でも気付かぬうちにスーの表情は憎悪に満ちていた。
―――……愛されて生きてきたあいつが憎い…!!
「………スー、帰っていたのか」
突如、闇から人影が現れた。
掠れ、しわがれた中年の声…。
スーの疲れて動かないはずの体がビクリと震えた。
「ち、父上………」



