「これで良いでしょう?
あなた達に世界の命運がかかっているのです。
これは私の命令…いえ、この世界の命令です!
断ったらどうなるかわかりますか?」

「…どうなるんだ?」



苦笑いを浮かべてファンの顔を覗き込むと不適な笑みが見えた。


明らかに良い意味ではないだろう。



「さて、三人の出発後よりレオナ、アラン、ヒサノの三人を石を持ち帰るまでパオーレの入村を禁ずる!

直ちにに立ち去りなさい!」



その張った声を教会中に響かせ言い放った。










〜これが三人の旅の始まりである〜






















「良いのですか…?あの三人で…」



三人や巫女達が去った後、ファンと一人の巫女だけが祈りの場に残り、神への祈りを捧げていた。


ファンは顔を上げ、祈りをやめる。



「…祈りの最中に口を開いてはなりません」



ツンと尖った厳しい声。



「すみません…」



あの声ならたとえ悪いことをしていなくても謝ってしまうだろう。



「話があるのなら、あちらで聞きますよ?」



部屋の隅にある一つの椅子を指差した。

本当に目が見えていないのか…、疑いたくなる正確さだ。




「はい………………」



椅子は一つしかない。


もちろん座るのはファン。


ファンはゆっくりと椅子に腰を下ろすと巫女を見上げた。



「…で、話とはなんですか…?」

「…先程もいったように本当にあの三人で良いのですか?
私には納得できなくて…」



巫女には納得できなかった。


世界の命運がかかっている重大な旅。


普通なら国の国王騎士や教皇騎士に任せるのが一番安心でき、信用できる。


なのに何故わざわざこんな田舎の一少年二人と教皇騎士でもないただの巫女に任せるのか…。



「…夢を見たのです」

「…は?夢……?」



はい、とファンは頷いた。