ゴッドネス・ティア

「なッ………!!」



なんなんだこの展開は。


胸倉を掴む力は強く、窒息してしまいそうなのだが、


……何故、スーが自分の上に覆いかぶさっているのかが気になる。



「て、てめッ…何してんだよ…ッ!!」



変な誤解されたくないので正直素早くどいてほしい。


必死に両手で抵抗はするが…スーのほうが力があるみたいだ。


まわりに目をやると………なんかすごい嫌な目で見られてる。




そんなことを考えていると、ふと、ゾッとする冷たさが頬にはしった。


見ると、……スーが舌なめずりしてやがる。



―――こいつ舐めやがった!!



これはやばいと本格的に抵抗を始めた。

気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い……


だが、こう抵抗できるのも、今のうちで、


スーがレオナの首に顔をうめたかと思うと、




――首にえぐるような激痛がはしった。








「ぐぁぁあああああっ!!!」





辺りにポツリポツリと散らばる鮮血。


もちろんスーの服にもレオナの血は付着し、

みるみると、赤に染まっていく。



「レオナッ!!」

「ば、…馬鹿ッ来んじゃねぇッ!!!」



ことの重大さにいち早く気付いたヒサノがこちらに走り寄って来たが、レオナの迫力ある制しによりピタリと止まった。


納得してはいなさそうでスノーリアのもとへ、助けを呼びに行ったのか。



スーはいまだレオナの首を噛んだまま、…血を飲んでいるのか吸い付いていた。


吸われるたびに、力が抜けていくような…そんな感覚に陥る。



「てめ…ッやめろ…キモいんだよオイ!!」



叫んでも叫んでも、相手は唸り、血を吸っていくだけ。


…………そろそろ頭が朦朧としてきた。