ゴッドネス・ティア

「なに………ッ」



母、母、母………

…………母さん?









「母さんを知ってるのか?!」



やっと出た声は、思ったより荒々しくて。


怯えてたさっきまでの自分が嘘のようにスーにくってかかった。



「さぁね、おまえの母親なんか会ったこともないさ、興味もない」

「ならなんで…!」



母さん、母さん…


母さんを…殺した奴…!!



昔、殺したはずの感情が、

怒りが、怨みが、悲しみが、憎しみが、


レオナの胸の中でまた膨れ上がった。



先程とは打って変わって、スーの胸倉を掴み、激しく揺らす。



「全部吐けよッ!!知ってること全部吐け!!」

「………うるさいな」



ヒステリックに叫ぶレオナに冷めた表情で答えると、スーはお返しだと言わんばかりにレオナの胸倉を掴み、力まかせに横に突き飛ばした。


されるがままに地面に落ち、受け身ができず、背中と後頭部を強打する。



「ぐぁっ……!!」



一瞬視界が白くなり、後は朦朧とする頭を必死にたたき起こす。



「おまえは知らないんだろうね。
……無知な程かわいそうな事はないよ」



そう怪しく笑むと、倒れているレオナに近づいた。


レオナも負けじと睨むが、スーには痛くも痒くもない。



スーはレオナの目の前までくると、荒く胸倉を掴み、そのまま…






レオナの上に覆いかぶさった。