ゴッドネス・ティア

「死ねぇッ!!」

「ぐっ…!」



物騒なことを口走るスーの重い一撃を剣で受け止め、振り払う。

だが、スーは崩れた体制を一瞬で整え、更に重い一撃をしかけてきた。


火花の粉が素手に落ち、熱い。


……このままでは埒があかない。


レオナは一度深く息を吸い、一瞬止めてまた深く吐いた。


瞼を閉じ、自分の足に、腰に、腕に、肩に、全ての四肢に神経を集中させる。


ゆっくりと瞼を開け、……スーを見据えた。


もはや正気ではなくなっているこの男。

……一瞬で終わらせるか…。



再びスーが切り掛かって来た。

狂気と憎悪に顔を歪ませて…。


まわりの皆には、一瞬の動きに見えたが、レオナには…まるでスローモーションのようにゆっくりとした動作に見えた。


スーの剣がレオナの剣とぶつかる。

また同じパターン、

かと思ったが、




――レオナはそれを横に薙ぎ払った。














ギィンッ!!!
















スーの剣…もとい華蓮の剣はクルクルとそれは美しい円を描き……主人の元へ帰っていった。


華蓮の足元に、まるで華蓮に握って欲しいと願っているように、それはちょうどいい高さで華蓮の右側へ突き刺さった。


突如現れた相棒に華蓮は目を丸くする。



一方、スーは……





















―――丸腰だ。