ゴッドネス・ティア

「リュンマーーーーーッ!!」



ハラハラと話し合いを始めている二人を見守っていると、背後からそれはそれはかわいらしい子供の声がした。


その男か女かわからない甲高い子供の声せいで男女の区別はつかないが、その自分達の先輩に好意を寄せているような甘い声色に敵ではないと判別する。


振り向くと……これまた男女の区別がつかない容姿の子供が嬉しそうに、楽しそうにこちらに駆けていた。



……やばい、今のスーにこんな幼い子供を近付けるのは、大分危ない。



危機を感じた華蓮は子供を近づかせまいと通せん坊をした、…がスルリと抜けられ、何か物悲しい心境に陥る。


一方、危機感ゼロの我が先輩はこれまた嬉しそうに顔を綻ばせて……子供に明るく、大きく、まるで天使の羽が見えるんじゃないかってくらい美しく手を振った。


そんな彼女に子供はかわいらしい笑顔を見せて、まるでスーがこの空間に存在しないのかと錯覚する程清々しく、風のようにその横を突っ切り、その彼女の華奢な胸に…飛び込んだ。


さすがのスーも、あまりにも危機感の持てていない二人にただただ冷めた視線を送るしかできない。



「アラン〜〜♪さっきの矢ナイスだったよ〜ん☆
すごいよね!命中だよぉ!!」

「えー、当たり前だよぉ。
あれくらいできなきゃ、ね?」

「うんうん!さ〜いこぉ!!」



まるでこの二人しかこの場にいないような雰囲気にまわりの者はただただスポットライトにあたる二人を眺めることしかできない。


否、そうせざるをえない。