ゴッドネス・ティア

「う〜ん…この三人をどうするか……あたし等が入る隙はないな……」

「……入りたくもないですけど」



ぎゅうぎゅうと身を寄せ合う仲間衆を草陰から見ている先輩と後輩は、呆れた表情を浮かべていた。

その表情はどこか穏やかだ。


………やっと、五人揃った。


リーダーは安心したように口元を緩めた。














「感動の再会中悪いんだけどさ…ちょっと失礼するよ」



ふと話しかけてきた少女。

高く二つに結った漆黒の長い髪は怪しく揺らめき、その鋭き眼光は明らかに幼き少女の持つべきものではない。

サロナと面識のないリュンマは不思議そうに首を傾げた。



「……あなただぁれ?」

「あ、リュンマさん。この人は魔女の村の長、サロナ・ダークですよ。
オレ達がこの近辺にぶっ飛ばされた時、いろいろお世話になったんです」

「へぇ〜………
どぉもはじめましてぇ〜♪」



なんとなく話を理解したのか、とりあえず敵ではないとみなし、リュンマはニッコリといつもの笑顔で右手で握手を求めた。


サロナはその手をしばらく怪訝そうに眺めると、ふと表情を緩め口端をつりあげた。



「……握手をしている場合ではないと思うんだけどねぇ…」



サロナはそう言うと、リュンマの右手を握り返し……

グイッと強く引き寄せた。


リュンマが先程までいた場所には…、憎悪としか言いようのない男が佇んでいた。


急な出来事に華蓮とル・メイは無意識に素早く後退する。



サロナの元へ引き寄せられたリュンマは、男を…スーの憎悪の表情を見て、またもや笑んだ。

……口元は、笑んでいた。



「……そうだねぇ…」