ゴッドネス・ティア

ゾワッ…………


ふと、背後から…

背中を刺すような、突くような……


射殺すような殺気が…



「―――ぃっつ〜〜…ッ」


聞き慣れた声だが、どこか違う声色。


なんだ、この殺気は…

あいつ…、本気を出していなかったのか…?


恐る恐る、彼女を振り向いた。



「……なかなか痛いじゃん…かなりムカつくわぁ〜…」



青黒くなった腹部を優しくさすりながら腰を浮かす彼女。


そして……、今までの温和な彼女では想像できないようなニヒルな笑いを浮かべる。



「腹が立つね…、こんな屈辱………昔忘れたはずなのに……」



その目は、少女ではなく、

ただ一人の…







……戦士だった。










「……ル・メイ?」

「あぁ華蓮ちゃん…。
怪我大丈夫なの?
…大丈夫じゃなさそうだねぇ…」

「………あはは…」



あの華蓮でさえも今のル・メイに冷汗をかいている。

どうやら、彼女は…





「あたしも……ぶーちギレた…」



彼女は虚無的で…冷酷な笑みを浮かべた。