ゴッドネス・ティア

ドアノブを握り、香月が開かないと騒いでいたドアを開けようとする。
が、ドアはやはりびくとも動かない。


何故動かないのだろうか。


もしかして自分の力が弱いから?
いや、毎日筋肉トレーニングを続けている…かはわからないが、イメージ的にしてそうな国王騎士の香月でも開かなかったのだからそういうわけではないだろう。


まあ推測からいうと、きっとムンマがスピードの出し過ぎでドアが風圧で開かない、だと思う。


音からしてかなりとばしているようだし、香月の鼻をぶつけたときは風に吹かれた閉まりかただったし。


まあ、それはさておき。



「レオナ〜聞こえますか?!応答してください!!」



力任せにドンドンバンバンとドアを叩き、殴り、外で最も危険にさらされているはずの幼なじみの名を呼ぶ。


返事は思ったより早めに返ってきた。



「ヒサノの声だ!おーい、聞こえてますよー!」


「何が起こっているんですかー?!」


「ムンマが暴走してるー!!」


「そんなこたぁわかってますよ!!なんでこんなことに!」


「………………」



ヒサノの質問に相手はしばらくの沈黙をおろした。

この口を開けたくなさそうな重い沈黙でなんとなくわかった。


犯人は、レオナだ…!